飛行機での移動、あなたはどちらを選びますか? 「できるだけ安く行きたい」派ならエコノミークラス、「快適さ重視」ならビジネスクラスやファーストクラスかもしれません。でも、それぞれどれくらいの値段差があるのか、具体的に知っていますか?
この記事では、「エコノミークラスとビジネスクラスの値段の違い」から、「サービス内容の差」、「実際の相場感」まで、最新の情報をもとに徹底解説します。さらにANAや海外航空会社の料金例、ツアーやマイルを使って賢く安く乗る方法も紹介。読むだけで、あなたにとって最適な「空の旅」の選択肢が見えてくるはずです。
エコノミーとビジネスは何が違う?値段以外にもある快適さの差

シートの広さと快適性の違い
飛行機に乗るとき、最も体感しやすいのが「シートの広さと快適性」の違いです。エコノミークラスは1列に8〜10席が配置されていることが多く、座席の横幅や足元のスペースは限られています。特に長距離フライトではこの狭さが疲労の大きな原因となります。
一方、ビジネスクラスでは横幅が50cm以上、シートピッチ(前の座席との間隔)も100cm以上が一般的です。さらに、近年ではフルフラットシートを導入している航空会社も多く、ベッドのように横になって休むことができます。これにより、飛行機内でも質の高い睡眠がとれ、目的地に到着したときの疲労感が圧倒的に少ないのです。
また、シートにはマッサージ機能が付いていたり、大きなモニターやUSBポート、電源コンセントなども完備されていることが多く、まるで“空飛ぶオフィス”のように快適に過ごせるのもビジネスクラスの魅力です。
このように、同じ飛行機内でもシートの質には大きな差があり、その快適さがチケット価格の大きな違いを生んでいます。特に長時間のフライトでは、少しの出費で快適さが格段にアップすることから、「値段よりも体の負担軽減を優先したい」という方にはビジネスクラスの利用が強くおすすめされます。
機内食やドリンクサービスの違い
飛行機に乗ったときの楽しみのひとつが「機内食」ですが、エコノミークラスとビジネスクラスでは提供される内容に大きな違いがあります。
エコノミークラスでは、限られた選択肢の中から食事を選びます。たとえば「ビーフorチキン?」といった2択で、内容も一度に全て配られ、あとはセルフサービスのような形が多いです。もちろん航空会社によって味や品質に差はありますが、どうしても「大量生産」のイメージはぬぐえません。
一方、ビジネスクラスでは、まるで高級レストランのようなコース料理が提供されます。前菜からメインディッシュ、デザートまでフルサービスで、シャンパンやワインのセレクションも豊富。専用メニューには有名シェフ監修の料理が並ぶこともあり、「食」を通じて特別な体験を提供してくれます。
また、ドリンクサービスも豊富で、飲みたいタイミングでドリンクを注文できるほか、こだわりのコーヒーや日本酒など、その国や航空会社ならではのラインナップが楽しめます。まさに「空の上のダイニング」と言っても過言ではありません。
このように、食事ひとつをとっても、ビジネスクラスはまさに“非日常体験”を提供してくれる贅沢な空間なのです。
空港でのサービスの差(ラウンジなど)
空の旅は空港に着いた瞬間から始まります。エコノミークラスとビジネスクラスでは、空港での過ごし方にも大きな違いがあります。
エコノミークラスでは、基本的に搭乗時間まで一般の出発ロビーで待つことになります。混雑している空港では座席を確保するのも一苦労で、時間をつぶす場所にも困ることがあります。
対してビジネスクラスを利用する人は、専用の「ビジネスラウンジ」を利用することができます。ラウンジ内は静かで落ち着いた空間が広がっており、無料の軽食やドリンク、アルコール類も提供されます。Wi-Fi完備で電源も豊富。出張前の仕事や旅のプランの確認など、落ち着いた時間を過ごすことができるでしょう。
また、シャワー室や仮眠室を備えたラウンジも多く、長時間の乗り継ぎでもリフレッシュすることができます。フライトの前から「上質な時間」が始まっている、これこそがビジネスクラスの大きな価値のひとつです。
手荷物の制限や優先搭乗の違い
飛行機に乗る際のストレスのひとつが「手荷物」に関する問題です。エコノミークラスでは預けられる荷物の重量や個数に制限があり、超過すると追加料金が発生します。また、搭乗時は混雑の中で並んだり、上の棚のスペースが確保できないなどの悩みもあります。
ビジネスクラスになるとこの点も大きく変わります。多くの航空会社で預け荷物の重量が30kg以上に設定されていたり、2個まで無料などの優遇があります。また、チェックインや保安検査でも専用のレーンが用意されており、行列に並ぶことなくスムーズに搭乗手続きが完了します。
さらに、「優先搭乗」が可能なため、混雑を避けてストレスなく機内へ入ることができるのです。到着後も優先的に荷物が出てくるため、入国手続きまでの時間も短縮されます。
このように、手荷物や搭乗のスムーズさは、見えにくいけれど非常に大きなメリットのひとつです。
体への負担と疲れの残り方
長時間のフライトは、身体へのダメージが意外と大きいものです。エコノミークラスでの移動では、長時間同じ姿勢でいることになり、エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)のリスクも指摘されています。
シートのリクライニングが浅く、足元も狭いため、脚を伸ばしたり体勢を変えることが難しく、結果的に筋肉の疲労や腰痛、むくみなどを引き起こします。また、質の悪い睡眠しかとれないため、到着後もぼーっとした状態が続き、旅行やビジネスでのパフォーマンスに影響が出ることもあります。
一方、ビジネスクラスではフルフラットで眠れることに加え、姿勢を自由に調整できるシート、質の高い枕やブランケット、さらには静音設計された空間など、身体にやさしい要素が満載です。深く眠れた結果、到着後すぐに動ける体調でいられるのは、非常に大きなメリットです。
体への負担が少なく、翌日の体調にも差が出る。それが「値段に見合うかどうか」を決める大きなポイントになります。
ビジネスクラスの値段はどれくらい?国際線・国内線の相場を比較!

国際線のビジネスクラスの相場とは(北米・ヨーロッパ)
国際線ビジネスクラスの料金は、行き先、時期、航空会社によって大きく変動します。北米やヨーロッパといった長距離路線では、エコノミークラスと比べて約3倍〜10倍の料金になることもあります。
たとえば、東京〜ニューヨークの往復航空券を例にすると、エコノミークラスでは10万円〜20万円程度ですが、ビジネスクラスは30万円〜80万円ほどが一般的です。同様に、東京〜ロンドンやパリといったヨーロッパ路線でも、ビジネスクラスは40万円〜100万円前後とかなりの高額になります。
しかし、航空券は常に同じ値段ではありません。ハイシーズン(夏休み、年末年始、ゴールデンウィーク)になると料金は跳ね上がり、逆にオフシーズンには安くなることもあります。さらに、航空会社のキャンペーンやセールを活用すると、通常よりもかなりお得にビジネスクラスを利用できることもあります。
また、マイルを使った特典航空券の利用や、ビジネスクラスへのアップグレード(追加料金あり)などの方法も、賢く活用すれば割安にビジネスクラスを体験できます。
国際線では特に、長時間の移動で疲れがたまりやすいため、ビジネスクラスの価値は高く、「時間と体力をお金で買う」という考え方が浸透しています。
国内線ビジネスクラス(ANA・JAL)の料金例
国内線でもビジネスクラスに該当するサービスがあります。代表的なのが、ANAの「プレミアムクラス」や、JALの「クラスJ」「ファーストクラス」です。
ANAのプレミアムクラスは、通常のエコノミーに比べて座席が広く、機内食やドリンク、優先搭乗、手荷物の優遇サービスなどが付いてきます。たとえば、東京(羽田)〜福岡の便で通常のエコノミーが1万円前後だとすると、プレミアムクラスは2万円〜2万5000円ほどとなります。
JALの「クラスJ」は、やや広めのシートとドリンクサービスが付くライトな上級クラスで、通常の運賃に1000円〜2000円を追加するだけで利用可能です。その一方で、JAL国内線の「ファーストクラス」はより豪華で、羽田〜伊丹間であれば約3万〜4万円程度になります(時期や空席状況により変動)。
国内線の上級クラスは国際線ほど大きな価格差がなく、気軽に試しやすいのがポイントです。「ちょっと贅沢したい」「出張を快適に過ごしたい」という人に人気があります。
時期や航空会社による値段の違い
ビジネスクラスの値段は一律ではなく、季節や航空会社によって大きく変わります。たとえば、夏休み・年末年始・春の大型連休といった繁忙期には、通常期の2倍以上になることも珍しくありません。
また、同じ路線でも航空会社によって値段の開きがあります。日系のANAやJALは全体的にサービスが高品質で人気がある分、料金も高めに設定されがちです。一方で、東南アジア系のシンガポール航空やキャセイパシフィック航空、ヨーロッパ系のフィンエアー、中東系のカタール航空やエミレーツ航空などは、路線やタイミングによっては比較的リーズナブルな価格でビジネスクラスを提供しています。
さらに、乗り継ぎ便を使うことで直行便よりも安くなることもあります。たとえば、東京〜ロンドンであれば、直行便よりもドバイやドーハを経由する中東系航空会社の方が安い場合が多いです。
航空会社ごとのセール情報やプロモーションもチェックしておくと、掘り出し物のビジネスクラスチケットが見つかることもあります。旅行を計画する際は、早めの予約と比較検討がカギです。
ビジネスクラスのセール時の価格
「ビジネスクラスは高い」というイメージが強いですが、実は定期的に実施されるセールを活用することで、かなりお得にチケットを手に入れることができます。
特にANAやJALなどの国内航空会社では、期間限定の「タイムセール」や「国際線セール」を不定期に開催しています。このときは通常の半額以下でビジネスクラスを購入できるケースもあります。例として、通常40万円以上する欧州往復が20万円前後で出ることもあります。
また、海外の航空会社では、ブラックフライデーや年末年始のプロモーション、さらには新路線開設記念の割引など、ユニークなキャンペーンを行うことがあります。中東系航空会社では豪華なビジネスクラスがプロモーション価格で売り出されることも多く、狙い目です。
さらに、旅行会社のパッケージツアーでは、ビジネスクラス利用にもかかわらず意外と手頃な価格設定がされていることもあります。航空券だけでなく、ホテルや送迎がセットになっていて、トータルでは個別手配よりも割安になることも少なくありません。
セール情報は各航空会社のメルマガやSNSで発信されることが多いので、気になる方は登録しておくとチャンスを逃しません。
エコノミーとの価格差の目安
ビジネスクラスとエコノミークラスの価格差は「路線」と「時期」によって大きく異なりますが、ざっくりとした目安を持っておくと比較しやすくなります。
以下は、一般的な路線での価格差の一例です:
| 路線 | エコノミー(往復) | ビジネス(往復) | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 東京〜ニューヨーク | 約15万円 | 約60万円 | 約4倍 |
| 東京〜ロンドン | 約18万円 | 約70万円 | 約4倍 |
| 東京〜シンガポール | 約8万円 | 約30万円 | 約3.75倍 |
| 東京〜ソウル | 約3万円 | 約10万円 | 約3.3倍 |
| 国内(東京〜福岡) | 約1万円 | 約2万円(プレミアムクラス) | 約2倍 |
これを見てわかる通り、短距離ほど価格差は小さく、長距離路線になるほど大きな差が生まれます。ただし、セールや繁忙期の変動を加味すると、この差がもっと広がったり、逆に縮まることもあるため注意が必要です。
「疲労感」や「快適さ」、「時短効果」をどれだけ重視するかによって、この価格差が妥当かどうかの判断が変わってきます。単なる移動手段ではなく、快適な“旅の一部”として考えるなら、ビジネスクラスは十分検討する価値があります。
ヨーロッパ往復ビジネスクラスはいくら?人気路線で徹底比較

東京〜ロンドン:主要航空会社の料金比較
ヨーロッパ路線の中でも人気が高い「東京〜ロンドン」の往復ビジネスクラスは、航空会社や予約時期によって料金が大きく異なります。通常時であれば、ビジネスクラスは往復で50万円〜90万円が相場です。ただし、セール時には30万円台まで下がることもあります。
以下に、主要航空会社の平均的な価格帯をまとめました。
| 航空会社 | ビジネスクラス往復料金(目安) |
|---|---|
| ANA(直行) | 約60万〜90万円 |
| JAL(直行) | 約60万〜85万円 |
| ブリティッシュ航空(直行) | 約50万〜80万円 |
| カタール航空(乗継) | 約40万〜60万円 |
| エミレーツ航空(乗継) | 約45万〜65万円 |
| フィンエアー(乗継) | 約35万〜55万円 |
特に中東系(カタール、エミレーツ)や北欧系(フィンエアー)は、乗継便ながらサービスも良く、コストパフォーマンスに優れています。また、ANAやJALの直行便は時間短縮のメリットが大きいですが、価格も高めに設定されています。
ビジネスクラスは予約タイミングによっても価格が変わります。出発の3〜6ヶ月前が最も安くなる傾向があるため、計画的に行動するとお得に購入できます。
東京〜パリ:時期ごとの価格変動
フランス・パリも日本からの旅行先として根強い人気を誇ります。ビジネスクラスの料金は、出発時期によって大きく価格が変動します。以下は、東京〜パリ往復ビジネスクラスの価格帯の一例です。
| 時期 | 往復ビジネスクラス料金(目安) |
|---|---|
| オフシーズン(1月〜2月) | 約35万〜50万円 |
| 春休み・GW | 約55万〜80万円 |
| 夏(7月〜8月) | 約60万〜90万円 |
| 秋(9月〜10月) | 約40万〜60万円 |
| 年末年始(12月) | 約70万〜100万円 |
同じ路線でも、ハイシーズンには倍近い差があることがわかります。特に年末年始や夏休みシーズンは、予約が殺到し、価格が急騰する傾向にあります。
利用航空会社としては、エールフランス、ANA、JAL、カタール航空、エミレーツ航空などがあり、直行便を選ぶか、乗継便を選ぶかで値段も大きく変わります。乗継便は時間はかかりますが、割安なケースが多いため、旅のスタイルに合わせて選びましょう。
ANAとJALでのヨーロッパ便比較
日本の大手航空会社であるANAとJALは、どちらもヨーロッパ路線においてビジネスクラスを提供していますが、サービス内容や価格に少し違いがあります。
料金面では両社とも同程度で、ロンドン・パリ・フランクフルトなどの主要都市で約60万〜90万円が一般的。ただし、セールやマイルを活用する場合にはANAの方が若干お得に利用できることもあります。
| 比較項目 | ANA | JAL |
|---|---|---|
| 座席タイプ | フルフラット「THE Room」など | フルフラット「SKY SUITE」など |
| 機内食 | 和洋から選択可、名店監修 | 季節の和食や有名シェフの料理 |
| ラウンジ | ANAラウンジ、スターアライアンス | サクララウンジ、ワンワールド系 |
| アライアンス | スターアライアンス | ワンワールド |
ANAの「THE Room」は個室タイプのビジネスクラスシートで評価が高く、プライバシーを重視する方に人気。一方JALの「SKY SUITE」も広々とした空間で快適に過ごせます。
マイレージやステータスの有無でも選択が分かれるので、普段利用している航空会社がある方は、それに合わせて選ぶとお得に活用できます。
中東経由(エミレーツ・カタール航空)との価格差
ヨーロッパへの渡航において、近年人気を集めているのが「中東系航空会社」を利用した経由便です。エミレーツ航空(ドバイ経由)やカタール航空(ドーハ経由)は、世界トップクラスのサービスとコストパフォーマンスを誇ります。
例えば東京〜ロンドンの往復で比較すると:
| 航空会社 | 料金(ビジネス) | 所要時間(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ANA(直行) | 約70万円 | 約13時間 | 時間短縮・日本語対応 |
| カタール航空(経由) | 約45万円 | 約18〜20時間 | 世界No.1評価のQsuite |
| エミレーツ航空(経由) | 約50万円 | 約18時間 | 豪華なラウンジとフルサービス |
所要時間は少し長くなりますが、価格が20万円以上安くなることもあり、非常に人気があります。また、カタール航空の「Qsuite」や、エミレーツのシャワールーム付きラウンジなど、サービスのレベルは非常に高く、「乗ること自体が旅の目的になる」と言われるほどです。
時間に余裕がある方や、快適な移動を優先したい方には、中東経由便はとてもおすすめです。
ツアーやマイル活用で安くする方法
ヨーロッパのビジネスクラスは高額ですが、少しの工夫で賢く節約する方法があります。その代表がパッケージツアー利用とマイル活用です。
まず、旅行代理店が販売するツアー商品(ビジネスクラス利用プラン)では、航空券・ホテル・送迎などがセットになっており、個別に手配するよりもトータルで10万〜30万円安くなることがあります。JTBやHIS、阪急交通社など大手旅行会社では、ビジネスクラス利用の高級ツアーも多数ラインナップされています。
また、航空会社のマイレージを貯めている方は、特典航空券でビジネスクラスを予約することも可能です。必要マイル数は高めですが、1マイルあたりの価値が最も高いのがビジネスクラスです。たとえばANAでは、ヨーロッパ往復で85,000マイル〜で交換できることもあります(時期・空席状況による)。
さらに、アップグレードポイントを使ってエコノミーからビジネスへのアップグレードを狙う方法もあります。ステータス会員であれば、無料アップグレードのチャンスも。
こうした方法を上手に組み合わせることで、ヨーロッパビジネスクラスの旅も「夢」ではなく、現実的な選択肢になります。
ビジネスクラスとファーストクラスの違いと料金の差

サービスと設備の違い(食事・シート・プライバシー)
ビジネスクラスとファーストクラスの違いは一言で言えば「空の上の上質な体験の格差」です。ビジネスクラスでも十分なサービスが受けられますが、ファーストクラスはさらにその上を行く「別次元の贅沢空間」です。
まず、シートについてですが、ビジネスクラスがフルフラットシート(ベッドになる座席)であるのに対し、ファーストクラスでは半個室または完全個室の構造が主流です。特にエミレーツやシンガポール航空、ANAの新ファーストクラスでは、ドア付きの完全プライベート空間が提供されており、機内で人の視線を感じることなく過ごせます。
食事の質と選択肢も違います。ビジネスクラスではコース料理が出されますが、ファーストクラスでは有名レストランと提携したオーダーメイドメニューや、キャビア・高級シャンパン(ドン・ペリニヨンやクリュッグ)などが楽しめます。中には「いつでも好きなときに注文できるアラカルトメニュー」を用意している航空会社もあります。
サービス面では、ファーストクラス専用のCAが1対1で対応してくれたり、機内アメニティも有名ブランド(ブルガリ、エルメスなど)で統一されていたりと、まさに「上客」扱い。専用ラウンジはもちろん、空港によってはファーストクラス専用のチェックインカウンターや送迎サービスまで用意されていることもあります。
「移動手段」の域を超え、「体験そのもの」を楽しむ。それがファーストクラスの本質です。
ファーストクラスの平均的な料金
ファーストクラスはまさに「空の最高級クラス」であり、料金も圧倒的です。往復で100万円を超えることが当たり前で、場合によっては200万円以上になることもあります。
以下は、主な国際線のファーストクラス料金の一例です(往復、大人1名あたり):
| 路線 | ファーストクラス料金(目安) |
|---|---|
| 東京〜ニューヨーク | 約120万円〜200万円 |
| 東京〜ロンドン | 約110万円〜180万円 |
| 東京〜パリ | 約100万円〜170万円 |
| 東京〜ドバイ | 約90万円〜150万円 |
| 東京〜シンガポール | 約70万円〜120万円 |
これらの価格は、シーズンや航空会社によっても変動しますが、最低でも70万円以上は覚悟しておく必要があります。セールやマイルで割引を受けることもできますが、そもそもの設定価格が高いため、マイルで乗るにも相当なポイントが必要になります。
このように、ファーストクラスは非常に高額ではあるものの、それに見合う特別なサービスと体験が用意されています。「一生に一度の記念旅行」「ハネムーン」「還暦祝い」など、特別な用途で選ばれることが多いです。
ビジネスクラスとの価格差の実態
では実際に、ビジネスクラスとファーストクラスの料金差はどのくらいあるのでしょうか? 結論から言うと、おおよそ1.5倍〜2倍以上です。ただし、これはあくまで「正規運賃」や「標準価格」での比較であり、割引セールやマイル利用時にはその差が縮まることもあります。
例:東京〜ニューヨークの往復航空券
| クラス | 平均料金 |
|---|---|
| エコノミー | 約15万円 |
| ビジネスクラス | 約60万円 |
| ファーストクラス | 約120万円 |
このように、エコノミーからビジネスで「約4倍」、ビジネスからファーストで「約2倍」の価格差があります。ただし、ファーストクラスには座席数が非常に限られており(1便につき8席前後)、「希少性」も価格に大きく影響しています。
また、ラウンジやチェックインなどの地上サービス、機内のプライベート空間、そしてホスピタリティのレベルなどを考慮すると、価格以上の「価値」を感じる人も多いです。
ファーストクラスはどんな人が乗るのか?
ファーストクラスに乗る人は決して一部の富裕層だけとは限りません。確かに高額な料金であるため、企業の経営者、著名人、投資家などが利用することが多いですが、近年では以下のようなケースも増えています。
- ハネムーンや新婚旅行での利用
一生に一度の特別な旅をファーストクラスで、と考えるカップルが増えています。 - マイルの活用によるアップグレード
普段からマイルを貯めている人が、ここぞというタイミングでファーストクラスを予約。 - 記念日や特別なプレゼント
還暦や退職記念として、家族からプレゼントとして贈られることも。 - YouTuberやインフルエンサーの体験動画用
ファーストクラスに乗ってみた動画は高い再生数が見込まれるため、投資として利用されることも。
つまり、「非日常を買うための手段」として、年齢や職業を問わず多様な人々がファーストクラスに挑戦しています。
ビジネスとファースト、どちらがコスパ良い?
「どちらがコストパフォーマンスに優れているか?」という視点で見ると、ビジネスクラスの方がコスパは高いと感じる人が多いです。
理由は以下の通りです:
- フルフラットシートなど、快適性は十分に高く、疲れが残らない
- 食事やドリンクの質も高水準
- 手荷物、ラウンジ、優先搭乗などの特典も揃っている
- ファーストクラスの半額以下で利用可能
一方で、ファーストクラスは「コスパ」よりも「一生に一度の特別な体験」「贅沢の極み」を求める人向けです。飛行機を「移動手段」と捉えるならビジネスで十分。飛行機を「旅の一部」として楽しみたい人は、ファーストクラスを検討する価値があります。
結局のところ、コスパ重視ならビジネス、体験重視ならファースト。目的に応じた選択がベストです。
ANAビジネスクラスを徹底解説!値段・サービス・口コミまとめ

ANAビジネスクラスのシートと設備紹介
ANA(全日本空輸)のビジネスクラスは、世界中の航空会社の中でもトップレベルの快適さを誇ります。特に注目されているのが、国際線長距離路線で導入されている「THE Room(ザ・ルーム)」と呼ばれる個室型の座席です。
このシートは、全席が通路に面した個室スタイルで、ドア付きの設計となっており、プライバシーを重視する方に最適。幅は驚きの約60cm超と、従来のビジネスクラスよりも格段に広く、横になった状態でも余裕のある空間が特徴です。まるで高級ホテルの一室のような居心地で、座席は完全にフルフラットになるため、長時間フライトでも疲れを感じにくいのが魅力です。
また、収納スペースや読書灯、電源・USBポート、大型のエンタメモニター(最大24インチ)など、ビジネスやエンタメ目的でも快適に使えるような工夫が細部にまで施されています。
さらに、シートには上質な布団やブランケット、枕が用意され、眠り心地も抜群。西川のエアーシリーズとの共同開発によるマットレスが導入されている便もあり、快眠へのこだわりも一級品です。
ANAのビジネスクラスは、“空の上のビジネスホテル”という言葉がぴったりの快適空間です。
ANAのビジネスクラス料金例(国内・国際線)
ANAのビジネスクラス料金は、国内線と国際線で大きく異なります。ここでは、代表的な路線の目安料金をご紹介します。
【国内線(プレミアムクラス)】
ANAではビジネスクラスという表現ではなく、「プレミアムクラス」として提供されています。以下が一例です:
| 路線 | エコノミー運賃 | プレミアムクラス運賃(目安) |
|---|---|---|
| 羽田〜伊丹 | 約9,000円〜 | 約18,000円〜 |
| 羽田〜福岡 | 約10,000円〜 | 約20,000円〜 |
| 羽田〜那覇 | 約13,000円〜 | 約26,000円〜 |
【国際線(ビジネスクラス)】
| 路線 | ビジネスクラス料金(往復目安) |
|---|---|
| 東京〜ニューヨーク | 約60万〜90万円 |
| 東京〜ロンドン | 約55万〜85万円 |
| 東京〜シンガポール | 約35万〜60万円 |
| 東京〜ホノルル | 約40万〜70万円 |
料金は時期・空席・セールなどで大きく変動しますが、ANAのビジネスクラスは品質と価格のバランスがよく、「安くはないけれど価値はある」と言える内容です。
他社ビジネスクラスとの比較(JAL・海外キャリア)
ANAと比較されることが多いのが、国内のライバルであるJAL(日本航空)と、人気の海外航空会社です。それぞれに特徴があり、どちらが優れているかは利用者の好みによって変わります。
| 比較項目 | ANA | JAL | カタール航空 / シンガポール航空など |
|---|---|---|---|
| シート | THE Room:個室型 | SKY SUITE:プライベート重視 | Qsuite(カタール)やスイート(シンガポール) |
| 機内食 | 和洋の選択肢が豊富 | 和食の完成度が高く人気 | 世界的シェフ監修のメニューあり |
| サービス | きめ細かいが少し事務的な印象も | フレンドリーで温かみのある対応 | 最高評価の接客が特徴 |
| ラウンジ | 成田・羽田にANA LOUNGEあり | サクララウンジ(羽田)など | 専用ラウンジが豪華 |
| アライアンス | スターアライアンス | ワンワールド | 各アライアンス、独立系(エミレーツなど) |
ANAは全体的にバランスの取れた品質で、「失敗しない選択肢」として非常に安心感があります。一方、サービスの“濃さ”や“ホスピタリティ”を重視する人には、JALや海外航空会社の方が合うケースもあります。
実際に乗った人の口コミと評価
ANAビジネスクラスに搭乗した人の口コミを見ると、非常に高い満足度がうかがえます。特に評価が高いポイントをまとめてみました。
【高評価ポイント】
- シートの快適さ:「THE Roomはまるでホテルのよう」「本当にぐっすり眠れた」
- 機内食のクオリティ:「和食も洋食もレストラン並み」「シャンパンの銘柄が嬉しい」
- 清潔感と設備:「機内がとにかく清潔」「モニターが大きくて映画も見やすい」
- ラウンジの充実度:「ANAラウンジはシャワー付きで快適」「軽食が美味しい」
【やや気になるポイント】
- 接客が丁寧だけど堅い:「丁寧だけどちょっと冷たく感じた」
- 特典航空券が取りづらい:「ビジネスの空席が少なくて取りづらい」
総合的には「また乗りたい」「次もANAにしたい」という声が多く、世界中のビジネスマンや旅行者から信頼されています。
ANAビジネスクラスは本当に値段に見合うのか?
結論から言えば、「ANAビジネスクラスは値段に十分見合う価値がある」と言えます。特に長距離路線では、快適なシート、充実したサービス、美味しい食事によって、移動そのものが“旅の一部”として楽しめるからです。
また、仕事での出張利用においても、フライト中にしっかり休めることで、現地到着後すぐに動ける体調をキープできます。これはビジネスクラスならではの大きなメリットです。
もちろん、30万〜90万円という価格は決して安くはありません。しかし、「安い航空券で身体にダメージを残すより、快適に移動して時間と体力を節約する」ことを考えれば、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
また、ANAはマイルの特典航空券や、アップグレードの選択肢も豊富なので、工夫次第で賢くビジネスクラスを活用できます。
「エコノミークラスとビジネスクラスの値段差はどれくらい?国内線・国際線・各社比較で解説!」のまとめ
「ビジネスクラスは高い」と思われがちですが、その金額にはしっかりと理由があります。快適なシート、質の高い機内食、優雅な空港ラウンジ、スムーズな搭乗手続き、そして体への負担の少なさ。これらすべてが、エコノミークラスでは得られない「上質な移動体験」を提供してくれます。
また、国際線や長距離フライトでは、疲労や時差ボケの影響を最小限に抑えるために、ビジネスクラスは非常に有効な選択肢です。国内線でも、ANAのプレミアムクラスやJALのクラスJを利用することで、移動のストレスをぐっと減らすことができます。
さらに、ANAやJALといった日系航空会社だけでなく、カタール航空、エミレーツ航空、フィンエアーなど、海外のエアラインも高品質なビジネスクラスを提供しています。中東経由であればコストパフォーマンスも高く、旅慣れた人にはおすすめの選択肢です。
一方で、ファーストクラスはまさに「空のラグジュアリー体験」。料金は高額ですが、非日常の特別な時間を過ごしたい人には、一度は体験してみる価値があります。
最終的には「何を重視するか」で選ぶのがベスト。価格、時間、快適さ、体への負担…。それぞれの要素を天秤にかけながら、自分にとって一番納得できる旅のスタイルを見つけてみてください。
